1994/03/28

天城越え (1)

伊豆半島のほぼ中央部
天城山を越える旧街道は
数多くの文学作品で描かれてきた

地元にいるとなかなか行く機会もなかったが
1994年3月28日
初めて歩いてみた


伊豆箱根鉄道駿豆線の修善寺駅からバスに乗り
「水生地下(すいしょうじした)」バス停で下車

ここは天城山を縦断する国道414号線と旧道の
分岐点となる

旧道といっても近代になって作られたもので
未舗装だが車も通れる広さがある

さすが名所らしく
同じく徒歩で越えようという人がちらほら見える

しばらく進むと「氷室」と呼ばれる施設の
説明版があった

斜面を掘り込んで作られた木の倉庫が
かつて氷を貯蔵していた場所なのだそうで
その手前には
冬季に氷を作った池の跡だという
四角い石組があった
氷室付近
氷を作る池へ向かう水路
氷室の奥にも道が続いていたので
少し進んでみることに

渓流沿いに
空の開けた明るい樹林が続く

氷室付近
春らしく芽吹いている苔
「なまこ岩」と呼ばれている巨岩まで到達し
元の道へ戻ることに

なまこ岩
複雑に絡み合った木
さらにしばらく
未舗装の車道を登ると
旧天城トンネルに到着

さすが観光名所らしく
多くの人が記念写真を撮っていた

トンネル内は照明が少なく
地下水がしたたり落ちて路面を濡らしていた

近隣では心霊スポット呼ばわりされているが
このとき怖かったのは
トンネル内を歩いているときに通る車だった

旧天城トンネル(河津側)
扁額の文字がほとんど写ってなかった
トンネルを抜けるとあとは下り坂

途中
秘境として知られる八丁池へ向かう道が
分岐していたが
路線バスのみ通行できるよう
ゲートが設けられていた

いつか行ってみたいと思いつつ
未だに行っていない

道はいつしかアスファルト舗装に

途中
二階滝(にかいだる)という
そこそこ大きな滝があった

ここは子供の頃
親の車で来た覚えがあった

二階滝
二階滝下流の小さな滝

二階滝を過ぎてしばらくすると
道は再び現在の国道414号線と合流

道を渡った反対側に
旧街道がさらに続く
ここからは車の通れない山道となった

天城山中に多いわさび田
天城山は広大な人工林で覆われている
山道の途中にあった畑
明るい色が春らしい
つづき 天城越え (2)